白墨瑣話


【目覚め 墨染めの うつし 後編】

 次の日も、また次の日も、少女は彼の前へと連れられてきた。一方的に衛兵達から告げられる言葉から察するに、どうやら他の『うつし』達の力を持ってしても、彼女から共犯者の情報を得ることは出来ずにいるらしい。また一方で彼自身も、他の人間からであれば今までと同じように『うつし』を行うことが出来ていたから、どうやら自身の力が潰えたわけではないようだと知ることが出来た。
 日中はいつもと同じように与えられた仕事をこなし、夕刻になると、少女の『うつし』を試みる。少女の『うつし』に失敗する度、彼が体の不調を態度で示すのを見た衛兵達は、それが一日の最後の仕事でさえあれば、その後に彼が立ちあがれなくなるほどの眩暈を起こそうと、吐き気を催そうと、問題ないと考えたらしい。
 だがそうしていく内に、彼も、段々と少女の『うつし』に慣れを感じ始めていた。記憶の中の人々の顔は、今でもやはり視ることができずにいたし、目まぐるしく移る彼女の記憶を覗き込む度に酷い眩暈を覚えてはいたが、それでも毎日、少しずつ、彼は少女の記憶を読み取っていた。
 どうやら彼女はここから遠い、砂漠の民であったらしい。彼女は家畜の世話をして、両親の商いの手伝いをして暮らしていた。その頃の彼女はどんなときでも明るく笑んで、人々を笑わせ、励まし、幸せの内に生きていた。
 だが状況は、彼の住むこの国の王が、砂漠の王国へ戦を仕掛けたことで一変する。戦地を逃れるために彼女自身も慣れ親しんだ土地から離れることを余儀なくされ、両親とは死別し、敗戦国の民として奴隷の身分に落とされた。そうしてこの国で暮らす内に、同じように故郷を追われた『仲間』と出会い、ある計画に荷担することとなったのだ。
 それが、この国の王の暗殺計画である。
(はじめに衛兵は、彼女やその共犯者の罪状を『殺人未遂』と言っていた。……それは、国王の暗殺未遂のことだったのか)
 人の記憶をあまり詳細まで覗き込むと、相手が彼女でなくとも、かなりの体力を消耗する。その為に今まで、これ程までに深く『うつし』を試みることはなかったのだが、それでも彼は、毎晩熱と眩暈にうなされるようになってでも、彼女の『うつし』を試みた。一つには、自らにこの仕事を拒否する権利など与えられていないことを心得ていたし、もう一つには、彼女の記憶を通して見る『陽』の光を、あまりに眩しく、かけがえのないものに思い始めていたのだ。
 それはまるで彼の思い描いていた、『本物』の『陽』とさえ思われた。
 人々の声に満ちた活気のある広場に、色とりどりに映える素晴らしい市の様子。彼女の幼い記憶の中の世界は特に明るく、常に光に満ちていた。
(この人のことを、もっと知りたい)
 気づけば、そんなことすら考えるようになっていた。
(この人と、二人で話をしてみたい。外のことを、彼女のことを、この人の口から聞いてみたい)
 不可能だ。わかっていた。それでも、――。
 だが一方で心配なのは、この少女自身の事であった。彼女はここへ捕らえられてからというもの、絶えず尋問を続けられながら、出された食事にもろくに手を付けてはいないらしいのだ。彼女の瞳は、今も爛々とした力強い光を帯びていたが、それでもその身は日に日に衰弱していくのが、彼にもはっきり見て取れていた。
 だからであろうか。
「――ちゃんと、食事を摂らなくては駄目だ。そうでなければ、このままあなたが死んでしまう」
 ぽつり、呟いたその声が、一体誰のものなのか、ほんの一瞬、わからなかった。
 いつもと同じ夕暮れ時。最早一人で歩くこともままならない彼女が連れてこられるのを、彼はただ座して迎え入れた。そして、
 気づかぬうちに、そう、呟いていたのだ。
 その事に気づき顔を上げれば、少女が、衛兵達が、皆一様に唖然とした表情で、彼のことを眺めている。しかし咄嗟に衛兵の一人が矛を操り、彼の首元へ突きつけたのを見て、彼はごくりと息を呑んだ。
 『うつし』は、けっして人に話しかけてはならない。そんなことは、重々承知していたはずだ。それなのに。
「ま、待ってよ。あんた達、仲間なんじゃないの? なんで武器を構えたりするの?」
「これは人ではない。『うつし』だ。我々と一緒くたに考えるな」
 当惑しきった様子で問うた少女に向けて、衛兵がただ、そう答える。その言葉にずきりと心が鳴るのを感じながら、彼はふと、苦笑した。
 何故こんな事で、今更胸が軋むのだろう。『うつし』は人ではない。わかりきっていたことではないか。
 しかし。
 彼は座したまま、床の上を摩るようにいくらか後ろへ下がると、ただ黙して頭を下げた。そうして顔を下げたまま、また、凝りずにその口を開く。
「失礼ですが、衛兵の方々は皆このままご退室ください。私がこの少女の『うつし』に手間取っていることは、既に察していただいていることと存じますが、どうやら彼女の『うつし』には、並々ならぬ集中力が必要とされるようなのです。皆様方がいらっしゃっては、上手く集中できません。これ以上『うつし』に時間がかかり、この少女が死ぬようなことがあれば、皆様も折角の手がかりを失い、痛手を被られることでしょう。それでは私も、面目が立ちません。ですからどうか、この宵一度きり、私にこの少女を預けていただけないでしょうか」
 自らの言葉が蕩々と淀みなく流れることに驚いたのは、どうやら彼自身だけではなかったようだ。彼がすっと顔を上げれば、衛兵達は明らかな狼狽を見せて彼を見下ろし、少女もまた状況を掴みかねた様子で、元々大きな瞳を更に見開いている。
「何卒、ご検討を」
 たたみかけるようにそう言って、じっと、衛兵達の目を覗き込む。一人ひとりの目の中を、その中に宿る思考の一片一片を読み取るかのように、また『うつし』をするかのように覗いていくと、一人、また一人と、衛兵達が青い顔をして視線を逸らしていく。そうして少女を除いた全員が、逃げるように部屋を出るまで、それ程の時間は要さなかった。
 
 * * *
 
「突然、あんなことを言って……。この国で、『うつし』とやらがどういう扱いを受けているかは知らないけど、あんた、後で罰を受けるんじゃないの?」
 以前より随分と掠れた声で少女が言うのを聞いて、彼は自然と微笑んだ。初めて会ったときには牙を剥き、彼の指に噛みつきまでした少女が、まるで『うつし』である彼を案じるかのようにそう問うたのが、やけに奇妙なことのように思われたのだ。だが少女は彼の笑みを見るとむっとした様子で口をつぐみ、手足を縛られているためその場を動じはしなかったが、あごを上げてそっぽを向いてしまった。
「それにね、二人きりになればあたしが何か白状するとでも思ったなら、大間違いだ。あんた達に、教えてやることなど何もない。仲間の顔も、名前も、あたしは絶対に漏らさない」
 爛々と光を帯びたその瞳が、じっと彼を見据えている。
「あなたの意志の固さは、よく知っている。あなたは故郷でも、この国で奴隷になってからも、よくみんなに『頑固者』と呼ばれていた」
 彼が囁くようにそう言うと、少女の表情が険しくなった。「あたしの記憶を、読んだの?」問うた声は、明らかな警戒心に満ちている。
「読んだ。『うつし』をするために、必要だったから」
「一体どこまで、読んだの。あたしは、……あ、あたしは」
「不安に思わなくていい。あなたはちゃんと、あなたの意志を貫いている。私はあなたの記憶を読んだけれど、視えたのはあなたの故郷での出来事や、あなた自身が、懸命に戦い、人を励まし、傷つく姿ばかりだった。私にはまだ、あなたの仲間の顔も、名前も読めていない。――こんな事は、初めてだ」
 だが彼女は、まだ胸の内にわき出た不安を、解消できずにいるらしい。その表情が青ざめているのを見て、彼は少女の目の前に座ると、穏やかな声で繰り返した。
「あなたと、話してみたいと思っていた。あなたは囚われの身でありながら、こうして頑なに己の意志を貫いている。あなたは輝く『本物』の『陽』の下に生まれ、自らの意志を育て、それに屈服することなく生きている。私はあなたのように強い意志を持ったことなどないから、あなたのことが――かけがえのない、立派な人のように思われるんだ」
 全てが全て、本心であった。
 こんなふうに、自らの思いを形にしたのは初めてのことであった。そうして、それを誰かに伝えたこともまた、彼にとっては初めてであった。
 だが彼が言いしれぬ達成感に酔った、その瞬間。
 彼女の瞳にじわりと、大粒の涙が浮かんだのを見て、彼は思わず狼狽した。
(……、涙だ!)
 何故だろう、何か、泣かせるようなことを言っただろうか。今までにも、『うつし』を行ったことで他人の涙を見たことはあった。既に思い出の中にしか存在しない死者や、遠い異国へ旅立った人間の顔を描くと、依頼人は嬉しそうに、よく涙を流していたものだ。だが、彼女はそれとは違う。悔しそうに眉根を寄せて、歯を食いしばり、顔を真っ赤にしてぼろぼろと涙を流すその姿はいかにも健気で、
 何やらやけに、愛おしかった。
 自然と彼の手が伸びた。何故だかよくわからなかったが、この少女を、抱きしめてやりたいとそう思ったのだ。抱きしめて、ただ彼女の気の済むまで、泣かせてやりたいとそう思った。だがしかし、実際に彼女の肩に手を触れかけたところで、
 咄嗟に彼の、手が止まる。
――あたしに触れるな。
 初めて彼女に出会った時に、聞いた言葉が甦る。
(もしかして、今なら)
 今なら彼女の記憶の何もかも、全て読み取れるのではないだろうか。ほんの一瞬触れただけで、何もかもが赤裸々に、全てを『うつし』てしまえるのではないだろうか。そんなことを考える。両腕を縛られているせいで、自らの涙すら拭えぬ彼女は、今は無防備そのものであった。
(今なら、全て)
 共犯者の顔も、名前も、――そしてそれとは関係のない、彼女の思い出も、秘めた思いも、何もかも。
(何もかも、全て)
 しかし。
「あたしはこのまま、死ねるだろうか」
 少女がぽつりと言ったのを聞き、彼はびくりと肩を震わせた。
 見れば彼女の目には大粒の涙が溜まっていたが、しかし既に、彼女は泣いてはいなかった。
 彼女はただ虚ろに空を仰いで、訥々と、掠れた声でこう言った。
「こうなった以上、本当は、一刻も早く死んでしまわなきゃならないんだ。あたしは生きてちゃいけないんだ。こうしている間にも、いつ口を割ってしまうかわからない。いつ『うつし』をされてしまうかわからない。あたしがここで死んだとしても、仲間が無事なら、彼らさえ残ってくれていたなら、いずれ一矢報いてくれるはず。あたし達の無念を晴らしてくれるはず。だからあたしは今のうちに、せめてみんなの足枷にならないうちに、早く死んでしまわなきゃ。あんたが言うように、あたしが立派な人間だったなら、今すぐそうするべきなのよ! なのに舌を噛みきることも出来ない。水を絶つことも出来ない。あたしは、……あたしは!」
 彼女の顔に、夕暮れの『陽』の光が射していた。
「ねえ。人間はね、そんなご立派には生きられないのよ。籠の中の『うつし』。あんたは知らないんだわ。――知らないのよ。本当のことは、何も」
 それは色鮮やかなステンドグラス越しでさえ、
 やけに赤々と見える『本物』の『陽』の光と見えた。
 
 * * *
 
 なんの『うつし』も出来ないまま、少女を独房へ戻してから、もう何日が経っただろう。そんなことを考えながら、彼はただ穏やかに、ステンドグラスを振り仰ぐ。
(彼女はどうしているだろう)
 あの日からはぱったりと、彼女がここへ連れられてくることがなくなった。それも、無理のないことではある。あれほど言って衛兵達を遠ざけ、人と話してはならぬという掟を破ったにも関わらず、彼は『うつし』としてなんの成果も上げることが出来なかったのだから。
 さもすれば、すぐにでも死を与えられるのではないかとさえ覚悟していた彼はそれでも、いまだこうして生かされていた。鞭で打たれた背は今も悲鳴を上げるかのように疼いたが、それだけの事だ。今は体よりも、よほど心の方がずきずきと疼く。
 あの日、彼女はただただ掠れた声で自責の思いと恨みの念を言い募り、そうして次第に我を無くし、彼の目の前で気を失った。息はあったが弱々しく、彼の声に気づいて戻ってきた衛兵達に連れ出される頃には、うわごとのように、既に亡くなったはずの父を、母を、ただただ呼び続けていた。
(彼女はどうして泣いたのだろう)
(私は何故ああまでして、彼女と話したかったのだろう)
(彼女の記憶を何度も辿った。誰より彼女を知った気でいた)
(死を望む彼女に、何を言ってやれば良かった)
(そもそも『うつし』である私が、人を理解しようとすること自体が間違っているのか)
 考えれば考えるほど、視界に靄がかかっていく。霞んで何も視えなくなる。
 やっとの事で仕事をこなし、夜は眠れぬ日々を過ごした。
 そうして彼は三日目に、一人で少女の画を描いた。その画は明るく笑むことも、敵意を持って牙を剥くこともなかったが、ただ黙ってそこにいた。今もどこかの独房に捕らわれているはずの彼女が、どうか無事でいるようにと、願わずにはいられない。
 しかしそれから更に五日が経った、ある日のことだ。
「誰か! ……誰か、教えてください、彼女は……以前、国王の暗殺未遂でここへ連れてこられた、あの人はどうなったんですか!」
 異変に気づいた彼がどんなに叫んでも、誰一人も答えない。
 外で何かがあったのだと、ただそれだけはわかっていた。否、彼にはその時、既に何が起こったのか、理解は出来ていたのであった。だがどうしても、それを信じたいとは思えなかった。
 彼が生まれて初めて自分自身のために描いたその画には、覚えのない、紅の墨が滲んでいた。
 日頃食事が運び込まれる小窓を、精一杯に殴りつける。白い指に青痣が出来た。それでも彼は、叩き続けた。
「おい、そいつを黙らせろ!」
 怒鳴り声が聞こえた後に、がちゃがちゃとした金属音。恐らくは、武装した衛兵達がこちらへ向かってくるはずだ。彼はいくつもの足音が近づいてくるのを聞きながら、ぎりぎりまで窓を叩きつけ、そうしてさっと扉の脇へ身構えた。
 何やらやけに、胸が疼く。呼吸の速度が、速くなる。しかし懸命にそれをおさえて髪を結うと、彼は、じっと扉を睨み付けた。
 自分が何をしようとしているのか、正直なところ、彼はちっとも理解をしては居なかった。だが何故だか自分がどうするべきなのか、彼にははっきりと
 視えていたのだ。
 この部屋に、たった一つある鉄の扉。――たった一つの、外への扉。
 錠を開ける音がする。
 蝶番の鳴る音がする。
 その瞬間。
 扉をくぐった衛兵に向かって、彼は渾身の力で飛びかかっていた。
「な、……何をする!」
 そう叫んだ衛兵が、矛を手に取り態勢を整えたときには、もう遅い。
(ここは建物の三階。彼女が居るのは)
 咄嗟に衛兵から『うつし』た建物内の見取り図を、自らの脳裏に焼き付ける。そうして彼は生まれて初めて、自らの意志で選んだ『本物』の『陽』の下を走り始めた。
――あんたは知らないんだわ。――知らないのよ。本当のことは、何も。
 
 * * *
 
 燃えるように白く照りつける光の中を、
 ただがむしゃらに駆けていた。
 すれ違う人々が彼を指さし、大声で叫び、
 また刃を向けられても、
 彼はただその目で彼らを視、耳で聴き、鼻で嗅ぎ、
 ただひたすらに駆けていた。
 
 裸足の足が土を踏む。
 白い衣服に泥が跳ねた。
 ああ、これが『外』かと思う。
 気分がいやに高揚するので、
 大きく声を張り上げる。
 
「知らないんだわ」
「知らないの、何も」
 
 胸は痛みに軋むのに、声は自然と笑んでいた。
 
「知らない――本当のことは、――何も!」
 
 彼女は、丘の上にいた。
 
 * * *
 
 十数本の木の柱が、丘へ無造作に立てられいる。その中央に腰掛けて、ぼんやりと眼下の景色を眺めながら、彼はぽつりと呟いた。
「悪くない景色だ」
 そうする側から惚れ惚れと、甘い溜息が零れ出る。ふと見下ろせば細い川沿いには壊れかけた水車小屋があり、その横手には貧相な墓石の並ぶ薄暗い墓地が並んでいる。しかしその更に向こうへ視線を移せば、そこには人々の多く住まう町の景色と、そして彼の長く閉じ込められていた礼拝堂が垣間見えた。
 足を怪我したの。
 問われて、彼は頷いた。町を出てからの獣道を、素足のままで駆けてきた。あちこち皮が裂け、血が滴り落ちている。不思議と傷は痛まない。
 これから、どうするつもり。あんたの望みは一体何なの。
 すぐには答えられなかった。口は開かず、ただゆっくりと立ち上がると、自らの足下から滴る赤い血を指に付け、それで地面へ画を描いた。
 それは生まれて初めて描く、人間以外の画であった。
「『人』にたてついた『うつし』は、全て殺される。脱走したとあっては、私はもう戻れない」
 血の臭いを嗅ぎつけた、烏の声が耳につく。
「あなたの故郷へ行ってみようか。あんなに焦がれた『本物』の『陽』の下だというのに、私はちっとも嬉しくないんだ。あなたの記憶の中の世界の方が、どんなに輝いて見えたことか」
 彼女が笑った、ような気がした。
 手を止め、ふと顔を上げる。
 丘の上には十数本、木の柱が立っていた。そうしてその柱の一本一本に、どこか懐かしくさえ思われる人々が、磔にされ胸に杭を打たれている。
 その全てが、絶命していた。
(ああ、……彼女はあんなにも頑なに、仲間のことを庇っていたのに)
 結局誰もが捕らえられ、こうして死を与えられた。
――あんたは知らないんだわ。
 そっと、その中央に眠る少女へ歩み寄る。そうして彼は手を延べると、彼女に向かってこう言った。
「私は何も持っていないから、せめてあなたの名をもらおう。あなたは私に、それしか教えてくれなかった」
――知らないのよ。本当のことは、何も。
「お眠り、ニルファ。私はそれでも、出来ることなら、――微笑むあなたをこそ、描いてみたかったんだ」
 長い白髪が風に揺れた。土埃がまた少し、彼の白を彩った。
 
 物枯れの丘には今も尚、血で描かれた朱の花が、咲き乱れていると聞く。
『足下に暗い朱の咲く』へ

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