シメオンの聖卓


【プロット/原案】
※著作権は万寿さんにあります。無断使用・無断転写はおやめ下さい。

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◎イエスの一番弟子のペテロをモチーフにした話です。
ペテロ⇒イエスが捕まった時にわが身可愛さに師を知らないということ三回。その後悔い改めてキリスト教を布教。最後はローマで殉教した初代教皇。
わが身可愛さに相手を裏切り、その後悔い改めるという部分だけを抽出しています。
弱い人間がそれでも良い方向へ行こうとする姿は魅力的です。
この主人公にその部分が出せたらいいなぁと思って作ったので、作品にするときはそれを根っこにしてくださるとありがたいです!

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ペテロに見立てていることをどの程度匂わせるかは任意で!
・タイトルにだけ『ペテロの悔悛』『シメオン』などを匂わせ、分かる人にだけ分かる程度でも可。
・最初に「知らない」らへんの聖書の一文を載せても可。
・「ペテロは師を三回裏切ったという」など明らかに分かるように地の文や主人公の独白に入れても可。
どこまで匂わすかは任意ですが、そんなにがっつりとはなぞってないのであんまり直接的に本編に入れない方が良いかもしれません。

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前情報長くなりましたが以下プロットです。Ver1か2お選びください。

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<登場人物>
主人公 普通の青年(あるいは女性・少年・少女)  
兄(弟) 不思議なもの(天使とか精霊とか妖精とか妖とか世界観によって言葉を言い換え)が見えるという病弱な兄(弟) 
<世界観>
任意。
中世でも近世でも現代でも可。国も自由。アジアでもヨーロッパでもどこでも書きやすいところで。
治療を受けているので現代以外だとあんまり貧しいお家だと医者に
継続的にかかってというのは難しいから比較的裕福なおうちにはなるかも?

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ver.1 <兄と主人公別人>
①不思議なものが見えるという病弱な兄。話を合わせている主人公
②疲れて兄の言葉を否定する主人公
③実は初めに不思議なものが見え、兄に信じてと言ったのは自分だったことを思い出す。
④謝罪して仲なおり

①~④がプロットになります。これだけだと??となったら以下の詳細お使いください。
勿論オリジナルの展開を書いてくださっても大丈夫です!!

詳細
①不思議なものが見えるという病弱な兄。話を合わせている主人公
・主人公にはそれは見えていないが兄に話を合わせている。
・面倒くさいので合わせてやってる。
・投げやり感があるか演技して本当に信じてる感があるかは任意で。
・主人公には兄の現実逃避に見える。
・どうしてこいつは現実を見ないんだという諦めとか軽蔑の気持ち。
・一方で肉親としては大切にも思っている。

②疲れて兄の言葉を否定する
・安静にしていなければならないのに外に出たり、言うことをきかない無邪気な兄。
(ここら辺不自然なら改変可能。取り合えず主人公が「もういい加減にして!」と思うようなことをする)
・段々合わせることに疲れてきて、いつものように話しかけてくる兄に
思わずそんなものはいないと強く否定する。(否定の言葉を元ネタ通り三回入れたい)
・どうして現実を見ようとしないんだと兄を非難する主人公。
・それに対して自分を信じていなかったのかと静かに聞く兄。
・驚いた主人公は愕然と兄を見る。
・やりきれなくなりながら主人公は首を降る。(否定なのか肯定なのか自分自身にも分からない)
・疲れたという主人公。分かったという兄。
(不思議なものなど存在しないという意味の分かったなのか、主人公が信じていなかったということが分かったなのかそこまでは不明)

③実は初めに不思議なものが見え、兄に信じてと言ったのは自分だったことを思い出す。
・幼い頃をぼんやりと思い出す(きっかけ任意。病院にいた子供たちを見たとか、幼い頃に遊んだ庭を見たとか)
・幼い頃、自分たちもこうやって仲良くしていた。
・主人公がはじめは自分だったことを思い出す。
・病気の兄を励ましたくて、空想のことを現実のように話す主人公。
・そんなの見えないよという兄に、信じなければ見えないと言う。
・見えないならそれでも良いから、自分を信じてくれと主人公は言った。
・病気が治るように自分がその不思議なものにお願いしているから。
・だから兄も信じてという。
・兄は自分を信じてくれていたというのに、自分は兄を信じ切れずに失ってしまった。

④謝罪して仲直り
・兄の病状が悪化したので、必死に不思議なものに縋りつく主人公。
・回復した兄のベッドに行く主人公。
・不思議なものに兄を助けてくださいとお願いしたんだという主人公。
・「不思議なものはなんて?」「兄さんを助けようって言ってくれた」
・「そう」「うん」
・「まだ見える?」と聞く兄。そこには何も見えなかったが、「見えるよ」と答える主人公。
・なんだかたまらずに赦しを乞うようにベッドの端に首を垂れる主人公。
・赦しを与えるように兄は主人公の頭に優しく触れた。
・自分は兄のように強くないし優しくない。平気で人を傷つける弱い人間だから、きっと揺らいでしまうという。
・何度でも僕が君を赦すから大丈夫だという兄。
・泣きたくなりながら主人公は頷いた。
・風がそよいで、不思議な生き物たちが風を吹かせてているんだと思う主人公。
おしまい。
 
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ver.2 <兄=主人公>
①不思議なものが見えるという病弱な兄。話を合わせている主人公
②疲れて兄の言葉を否定する主人公
③兄を否定することが自己否定であることに気付く
④謝罪して仲なおり
⑤兄=自分

<詳細> ※ver1とタイトルは同じですが詳細やや異なってます。
①不思議なものが見えるという病弱な兄
・主人公にはそれは見えていないが兄に話を合わせている。
・兄が嬉しそうに話すので主人公も嬉しそうにそれを聞く。
・肉親として大切に思っているが、一方で夢見がちな兄に対する侮りの気持ちもある。

②疲れて兄の言葉を否定する
・安静にしていなければならないのに外に出たり、言うことをきかない無邪気な兄。
(ここら辺不自然なら改変可能。取り合えず主人公が「もういい加減にして!」と思うようなことをする)
・段々合わせることに疲れてきて、いつものように話しかけてくる兄に
思わずそんなものはいないと強く否定する。(否定の言葉を元ネタ通り三回入れたい)
・口に出すとすっきりとした。ずっと心のどこかで思っていたことだと気づく。
・それに対して信じていなかったのかと静かに聞く兄。
・驚いた主人公は愕然と兄を見る。
・やりきれなくなりながら首を降る。(否定なのか肯定なのか自分自身にも分からない)
・疲れたという主人公。分かったという兄。
(不思議なものなど存在しないという意味の分かったなのか、主人公が信じていなかったということが分かったなのかそこまでは不明)

③兄を否定することが自己否定であると気づく
・自らの心のままに発言したはずなのに心が重たい主人公。
・何か重大なことを仕出かしてしまったような気がする。
・どうしてあんな嘘に付き合うことがそれ程重要だと言うのかと自分が不安になることに対して怒りが湧いて来る。
・やがてそれが自己否定だからだと思い至る。
・兄と共有した時間は嘘ではなく、不幸なものなどではなかった。しかしそれすらも自分は否定してしまったのだ。
・たまらずに泣いてしまう主人公。
・本心がどちらにあるのか分からなくなってしまう。
・素直に信じられればどんなに楽だろうと思うが、不幸なことに主人公には兄に見えるものが見えない。

④謝罪・仲直り
・嘘を言っていたことを謝罪する主人公。
・「疲れたんだろう。もう嘘に付き合う必要はない」と兄は主人公を冷たく拒絶する。
・主人公は俯く。
・「一度口に出したことは消えない」とはっきり言う兄。いつもの幼さが消えて、どこか老成しているような雰囲気。
・自分は兄さんとは違うという主人公。
・「見えないよ。見えるもんか。だからこれからも兄さんを疑ってしまう。それでも、兄さんのことを否定したくないんだ」必死に言い募る主人公。
・「何故」と胡乱な目を向けられて少しだけ良い淀む主人公。
・「分からない」
・色んな気持ちがないまぜになって膝をつく主人公。
・この行為の意味を自分でも把握しかねている。
・兄が大切なのか自分を守る行為なのか、いつもの面倒くささから考えることをやめているのか、何もかもが不確定で自分の気持ちがどこにあるのか分からずに混乱している。
・「それでも(それでもと言っているが上記の気持ちを口に出しているわけではないので唐突な言葉)--自分は兄さんを信じることを選んだんだよ」
・兄は歩み寄り、聖職者のように主人公の頭に手を置いた。
・「お前を赦そう。お前は弱いから、いつもお前自身を殺す。だが、私が何度だってお前を赦そう」
・救われた気持ちになった主人公は身体が軽くなるのを感じる。

⑤自分=兄
・気が付いたら病室にいる。
・兄は?と尋ねるとお前に兄などいないと言われる。
・兄の名前を述べるとそれはお前が昔自分の名前を上手く言えずに名乗っていた名前じゃないかと言われる。
・兄は自分だったのかと主人公は気づく。
・幼い頃の主人公はあの兄のように空想が好きな子供だった。
・いつしか空想をやめてしまい、幼い自分は大人の自分と分離してしまった。
・兄に言われた言葉を思い出す 『お前を赦そう。お前は弱いから、いつもお前自身を殺す。だが、私が何度だってお前を赦そう』
・風がそよいでいた。不思議なものが風を起こしたんだと思う。思うと、本当にそのように感じた。


おしまい

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